2019年08月11日

誰のための学校建設か? その2


【つづき】
誰のための新校舎建設計画なのか、ますます分からないのである。


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再び当別の小中一貫教育を考える


筆者は「ゆめの種子通信」第17号(2018年2月)で、「村を育てる学力になるか?」と題して、当別町で進められようとしている小中一貫教育を論じた。「平成29年度は小中一貫教育元年」と謳った教育委員会のリーフレットで、まずは二校連携型の一貫教育を推進するという教育委員会の姿勢を紹介した。

ところが、その直後の3月の町議会定例会では、教育長が「平成30年度教育行政執行方針」で「義務教育学校の設置にあたり、校地(建設地)の選定などの新校舎を整備するにあたり基本的な考え方を7月頃に示す」と発言、その時期(7月)になって示したのが「一体型義務教育学校基本構想(案)」という手際の良さで、学校建設計画を打ち出して見せた。

二校連携型の一貫教育を推進してみて、期待通りの成果を出せたのかそうでなかったのかといった検証スケジュールは二の次にして、校舎建設というハードを短期間にかたちにしてしまおうという行政の姿勢が見え見えである。これでは一貫教育ではなくて、「突貫教育」ではないかとツッコミを入れたくなるのは筆者だけではないだろう。

「一体型義務教育学校基本構想(案)」に対する住民説明会とパブリックコメント(意見公募)も行われた。前者は7月10日。「広報とうべつ」8月号に写真入りで報告されている。写真から推測すると参加者は40人にも満たないだろう。後者は7月6日から27日まで募集がなされた。どの程度の意見が提出されていたのか、まだ公表されていないので不明。それにしても、余程、役場に向けてアンテナを張っていないとパブリックコメントが実施されることすら分からないのはいかがなものであろう。「広報」での告知もなく、役場ホームページ(HP)でやっと分かるといった程度である。

ついでだから役場HPで、小中一貫教育に関する情報がどの程度公表されているのだろうかと思い閲覧してみた。コンテンツの中に「一貫教育の推進」があり、そこを辿っていくと パブリックコメントの実施、リーフレット、懇談会、講演会の実施、保護者説明会などと、数えるほどの情報しか掲載されていないことが分かる。町民は何を資料としてこの町の一貫教育を考えろというのか。否、情報を極力押さえて思考停止状態を作りたいことの現れであろう。

誰がせっせとリークしたのか「北海道建設新聞」という業界紙に当別町が推進しようとしている一貫学校が記事になっている(7月12日付)。それによると、学校建設のための総事業費は約50億、現当別中学校の敷地が建設候補地という。パブリックコメントを募集しているあいだに、じつはもう【作るということ】が既成事実化してるのである。これはあの「道の駅」を建設するときと同じ手法のようである。

「確実な学力をつける」、それが一貫教育に与いえられた一番の狙いだとリーフレットではいう。二つの義務教育課程の学校をくっつけないと確実な学力が身に付かないのだろうか? それほど今の学校現場の教師たちのスキルが低下しているのだろうか。だとするとそれこそが大問題である。

この町がいま直面している大きな問題は、子どもを産み育てる世代、すなわち20代中半から40代にかけての人口流出が続いていることである。この状態が続けば、子どもの数は激減の一途をたどるに違いない。人口減少に抜本的な対策を講じる方が先であることは自明である。

学校教育施設の長寿命化という現実的対応策には目もくれずに、一大公共工事を選択することは将来に大きな禍根を残すことになるだろう。しかもこれを太美地区でも実施予定、と既成事実を積み上げているのには呆れるとしか言いようがない。

(「ゆめの種子(たね)通信」第20号(2018年8月))

posted by yagi at 21:21| Comment(0) | つれづれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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